最近、ダイエットや筋トレに効果的な食事やPFCバランスなど意識した料理が紹介されていたりしますね。食事は体の健康に大事ですが、心の健康にも影響があります。
どんな食事がメンタルヘルスに良いのかしら?
今回はメンタルヘルスに良い栄養素6つと
それを多く含む食材を紹介します!
心に大事な栄養素
心の健康を保つための万能の食事は存在しませんが、より健康な身体と心の土台を築くために、誰もが摂取する必要のある特定の栄養素があります。
オメガ3系脂肪
食材や人体に含まれる脂質の一種です。
オメガ3系脂肪は抑うつなどメンタルヘルスに効果がある可能性が報告されています。他にも心疾患や脳卒中などのリスクを低下させることが報告されています。
青魚(イワシ、サバなど)、クルミ、チアシードに多いよ!
複合炭水化物
複合炭水化物はGI値が低く、体内でゆっくりと分解されるため、長時間にわたって安定したエネルギーを供給できます。また、炭水化物は、セロトニンの生成を促す作用があるとされているため、複合炭水化物を食べるとセロトニンがより持続的かつ安定的に分泌され、気分の調整に役立つと報告されています。複合炭水化物を含む食事や間食を3~5時間おきに摂ることで、より安定した幸せな気分になることができます。
さつまいも、玄米、ライ麦パン、蕎麦、パスタなどに多く含まれてるよ
ビタミン
ビタミンB12や葉酸は神経伝達物質の合成にかかわる栄養素です。健康な人と比較してうつ病の患者さんでは葉酸欠乏が多いという調査結果が得られています。
ビタミンDも脳の機能のために大切な栄養素であり、うつ症状との関連が報告されています(3)
ビタミンDが豊富なのは、卵、肉、脂ののった魚
ビタミンB12や葉酸は納豆、レバー、葉物野菜などに多く含まれてるよ!
ミネラル
鉄、マグネシウム、亜鉛はすべて、脳の健康に関連するミネラルです。鉄は脳の発達を促すことで認知症予防に、マグネシウムは睡眠の改善に、マグネシウムと亜鉛はうつ病予防に役立つ可能性があります。
鉄分は肉、魚、豆類、ナッツ類、種子類、葉物野菜に豊富!
マグネシウムは、カボチャ種、アーモンド、カシューナッツ、アボカド、豆腐、ほうれん草、黒豆とかに含まれているよ
亜鉛は牡蠣、鰻、カニ、牛肉、豚肉、鶏肉、豆類だって!
抗酸化物質
抗酸化物質には、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、フラボノイドなどがあり、野菜や果物に多く含まれています。
これらの栄養素は、有害なフリーラジカルが形成されるのを防ぐことで、脳が酸化ダメージや神経の炎症と闘うのを助けています。これにより、神経変性疾患やうつ病から脳を守ることが期待できます。
アミノ酸
トリプトファンは、睡眠、落ち着き、リラックスを促す神経伝達物質であるセロトニンの生成に必要なアミノ酸です。チロシンは、快感をもたらし、やる気、注意力、集中力を向上させる神経伝達物質であるドーパミンとノルエピネフリンを作り出すのに必要です。
トリプトファンやチロシンはナッツ類、種子類、豆腐、チーズ、ヨーグルト、肉、魚、豆、レンズ豆、卵などに含まれてるよ!
食事で心がけたいこと
私たちが選ぶ食べ物や食事の経験は、私たちの心の健康にも影響を与えます。
一緒に食べる
誰かと一緒に食べることは、家族や友人、同僚とのつながりを築いたり、普段は試さないような新しい食べ物を探求したりと、多くのメリットがあリます。
休日に家族でゆっくりと食事をするのも、友人と会ってコーヒーとデザートを楽しむのも、こころの健康に大事な時間です。
食事を楽しむ
食事に好きな食べ物を取り入れることは、ポジティブな感情が促進され、定期的に適切な食べ物を求める動機付けにも繋がりますね。
食べ物は単なる燃料ではありません。それが楽しく、意味のあるものであれば、体だけではなく、心の栄養にもなります。
まとめ
栄養はセラピーや薬物療法に取って代わるものではなく、日々の栄養として総合的に作用します。栄養が十分でなければ、薬物療法もうまくいきません。脳に栄養を与えなければ、集中力やエネルギーを発揮することができません。栄養は、メンタルヘルスの観点からも健康の基礎となる要素のひとつです。
日々の食事にご紹介したような食材を取り入れて、みなさんが楽しく、心も体も健康でいられることを願っています。
参考文献
1)厚生労働省eJIM | オメガ3系脂肪酸[サプリメント・ビタミン・ミネラル – 医療者]
2)功刀浩,古賀賀恵,小川眞太郎:うつ病患者における栄養学的異常. 日本生物学的精神医学会誌26: 54-58, 2015.
3)Anglin RE, Samaan Z, Walter SD et al: Vitamin D deficiency and depression in adults: systematic review and meta-analysis. Br J Psychiatry. 202: 100-107, 2013.
4)Homewood Health Centre:Good Food, Good Mood: The Link Between Nutrition and Mental Health – Homewood Health Centre
5)Tanskanen A, Hibbeln JR, Tuomilehto J et al: Fish consumption and depressive symptoms in the general population in Finland. Psychiatr Serv. 52(4):529-531, 2001.
6)あなたのかかりつけ健康サイト さわい健康推進課:https://kenko.sawai.co.jp/theme/202307.html
7)ICA NOTES :https://www.icanotes.com/2018/04/04/10-foods-that-boost-mental-health/
8)鹿児島県国民健康団体連合会 第4回食生活とメンタルヘルス:https://kokuhoren-kagoshima.or.jp/kenkouhou/19694
9)ELLE,ストレスや不安、うつに悩んでいる時に食べるべき or 避けるべき食べ物:https://www.elle.com/jp/gourmet/gourmet-healthyfood/g43924827/best-and-worst-foods-for-anxiety-23-0714/
10)松岡 豊,et al, 精神神経学雑誌 第 118 巻 第 12 号(2016) 880‒894 頁,食からメンタルヘルスを考える
―栄養精神医学の役割と可能性
https://researchmap.jp/ymatsuoka/misc/22434734/attachment_file.pdf
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