私達は毎日何かしら食事をしています。そこから栄養を吸収し、体の一部となっています。食事は薬ではないので、即効性や大きな効果はありませんが、日々の積み重ねとなり、体だけでなく心の状態にも影響しています。
mind-hub今回はメンタルヘルスを考える上でなぜ食事が大事なのか、またどんな食事をすれば良いのかお話しします！
食事がなぜメンタルヘルスに重要か
我々の脳は常に働いて思考や動作、呼吸や心拍、感覚をつかさどり、眠っている間でさえ24時間365日働き続けているます。つまり、脳には常に燃料が必要なのです。その「燃料」は食事から摂取されます。簡単に言えば、食べたものは脳の構造と機能に直接影響し、最終的には気分にも影響すると言えます。
脳は良質な燃料を使うとより良い機能を発揮できます。ビタミン、ミネラル、抗酸化物質を多く含む高品質の食品を摂取することで、脳に栄養を与え、酸化ストレスから脳を守ることができます。
質の悪い燃料を摂取すると脳がダメージを受ける可能性があります。加工食品や精製食品のような 「質の悪い」燃料の物質は脳に悪影響です。複数の研究で、精製糖の多い食事と脳機能の低下、さらにはうつ病などの気分障害の症状の悪化に相関関係があることがわかっています。栄養精神医学の分野では、食べたものは、感じ方、最終的な行動だけでなく、腸内に生息するバクテリアの種類にも多くの相関関係があることがわかってきています。
現代で多い食の問題
マイハブ先生現代の食事では、エネルギーが過剰で栄養は不足している人が多いです！
①エネルギー過剰
過剰なエネルギーは肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病につながり、こうした病態はうつ病などの発症に関連があるという報告もあります。
②栄養不足
栄養不足だと脳の働きに影響を与えるます。心の状態には脳から分泌されるセロトニン、ドーパミンといった物質が関係しており、栄養不足だと、こうした物質も正常に働かなくなります。カロリーを十分に摂っていてもその内容、バランスが大事です。
エネルギーの過剰摂取を防ぎつつ、心の健康のために必要な栄養素をバランスよく摂ることが、精神疾患の予防につながると言えます。
お勧めの食事
地中海食や和食のような「伝統的な食事」と、典型的な「西洋的な食事」を比較した研究によると、伝統的な食事を摂っている人の方が、うつ病のリスクが25％〜35％低いことが報告されています。(4)
「伝統的な食事」は野菜、果物、無加工の穀物、魚介類が多く、赤身の肉や乳製品は控えめでした。また、「西洋的 な食事」パターンの主食である加工食品や精製食品、糖質も含まれていませんでした。さらに、発酵食品も多く含んでおり、天然のプロバイオティクスとして機能している可能性があります。
善玉菌は腸の消化吸収に影響を与えるだけでなく、全身の炎症の度合いや、気分やエネルギーレベルにも影響を与えるという考え方もあります。腸脳相関に関しては研究段階でありまだエビデンスに乏しい部分もありますが、食事とメンタルヘルスは密接な関係があることは間違いありません。
まとめ
今回は食事がどのようにメンタルヘルスに関わっているのか。そしてどのような食事が良いのかご紹介しました。
どんなことも極端なことはあまりよくありません。食事も同じです。バランスよく、規則正しい食習慣が理想です。そして心と体に良いものを意識的に少し多く取り入れられるといいですね！
参考文献
１）サワイ健康推進課「心の健康にも食事は大切！メンタルヘルスと栄養の関係」https://kenko.sawai.co.jp/theme/202307.html
２）松岡豊,行動医学研究 vol.25,No.2，113-118,科学的根拠に基づく食によるメンタルヘルスへのアプローチ2https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbm/25/2/25_113/_pdf/-char/ja
3)HELiCO,「心の健康に必要な食事とは？おすすめ献立＆レシピ紹介」https://helico.life/monthly/220506kokoronohuan-menu/
４）Harvard Health Publishing「Nutritional psychiatry: Your brain on food」https://www.health.harvard.edu/blog/nutritional-psychiatry-your-brain-on-food-201511168626
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