私、オレンジ色がすき!明るい太陽の色だから気分が上がるの
僕はグレーが好き。落ち着くかな
それぞれ好きな色やその色に対するイメージがありますよね。私の白衣は清潔感や潔白な印象が湧きますね。今回は色と感情の関係について深掘りしてきましょう!!
色彩心理学とは
色彩心理学とは色が人間の心や行動に与える影響を研究する学問です。
人間の視覚を通じて、色は人々の心理、生理、想像力にさまざまな複雑な影響を及ぼします。さらに、人々の心理的および生理的状態は、色に対する認識や考え方に影響を与えます。色彩心理学の理論によれば、さまざまな色合いが人々の心理や感情にさまざまな影響を与えると考えられています。現在の色彩心理学の研究はまだ未熟で解明できていない部分もありますが、人間の心理への影響は客観的に存在し、実生活にも適用されています。
色のイメージ
色と象徴的な意味
歴史、文化、職業などによっても多少異なりますが、色に対してある程度世界共通イメージがあります。代表的な色とその象徴的な意味をご紹介します。(1)
- 赤: 情熱、興奮、愛
- ピンク: 柔らか、控えめ、素朴な
- 紫: 神秘的、高貴、華やか
- 青: 知恵、希望、理性、平和
- 緑: 自然、成長、新鮮さ
- 黄色: 希望、喜び、危険
- オレンジ: 温かさ、優しさ、喜び
- 白: 真実、無関心
- 黒: 高貴、神秘的、冷たい
色と性格
それぞれの色は、擬人化すれば異なる性格を表し、独自の性格を持っています。関連する色彩心理学の理論を参考にした、各色が表す性格特性はこちら!(2)
- 赤:戦士、征服、男らしさ、情熱、栄光
- 黄色:パフォーマンスが上手、活発で楽観的、他人を温かく見守る、王者の力
- 青:静かで控えめ、几帳面、寛大
- 緑:着実で現実的、協調性、精神的な指導者
- 紫:セクシーな神秘、エロティックな悲しみ、ロマンチックな神秘、フェミニズム
- ピンク:感情的、穏やか、繊細、女性的
- 灰色:ロマンチック、信頼できる、現代的
- オレンジ:高貴、先見の明、理想主義、オープンマインド
- 黒:独立、穏やかで控えめ、神秘的で冷たい
- 白:素朴、潔白、独創的で神聖な
- 茶色:安定して信頼できる、正直で公正、責任感がある
色の影響
気分
2022年3月〜6月にA市の地域住民89人が参加した研究です。アンケートで色と感情について調査したところ、不安、孤独、情緒不安定を感じるときに選んだ色は下図に示すように、オレンジと黄色、緑系、赤とピンクの色の組み合わせでした。これは、さまざまな回答者が、感情状態が良くないときには暖色を好む傾向があることを示しています。黒と白、青と紫の色の組み合わせは、それぞれ全体の 4% と 3% と、最も少ない票数でした。これは、人々がこれら 2 つの色調にさらされると、落胆し憂鬱になる可能性が最も高いことを示しています。(2)
パフォーマンス
赤は達成状況における失敗の危険性と関連付けられ、回避動機を呼び起こすため、達成タスクのパフォーマンスを低下させるという仮説が立てられています。 重要なテスト(IQテストなど)の前に赤を短時間知覚するとパフォーマンスが低下することを実証した研究があります。
71人のアメリカの大学生がテストの前に赤、緑、黒のどれかの色のカードを見せられてから試験を受けたところ、赤をみた学生では緑や黒をみた学生よりも20%スコアが低かったと報告されています。色がパフォーマンスに影響を与える可能性が示されています。(3)
薬に期待する効果
こちらは、ロチェスター工科大学 (RIT) の世界各地の拠点で 行われた研究です。
参加者は鎮静、刺激、抗不安、鎮痛、制酸、幻覚の各効能ごとに 、5 つの錠剤の形をした色 (青、緑、赤、白、黄色) を、最も効き目が低い (スコア = 1) から最も効き目が高い (スコア = 5) までのスケールで配置しました。
615人の研究データが使われました。鎮静剤については、青と白が残りの色よりも有意に高いランクに付けられました。刺激剤は赤が、抗不安薬は青と白、鎮痛薬は、すべての色が有意に異なり、最高から最低の順に、白、青、黄色、赤、緑の順でした。制酸剤は黄色、白が、幻覚剤では、黄色と赤が一緒に最も高いランクに付けられました。
一般的に、参加者が特定した色の連想は、以前の研究や報告された文献と一致しており青を穏やかさと冷たさ、緑は自然、赤は攻撃性、怒りや力、白は純粋さと穏やかさ、最後に黄色はエネルギー、暖かさと関連付けていました。この研究では実際に色が違うと得られる効能も違うのかどうかまでは行われておらず分かりませんが、薬の色から我々は無意識に得られる効果を期待していることがこの研究からわかります。(4)
味覚
同じ味でも色で甘味と塩味の知覚を高めたり弱めたりする
赤とピンクは、甘味と関連付けられることが多いです。Journal of Food Science に掲載された研究では、イチゴ風味のドリンクは、無色または緑色の場合よりも赤色の場合の方が甘く感じられたことがわかりました。この効果は、イチゴやラズベリーなどの赤い果物とその自然な甘味との心理的な関連性によるものと考えられます。
一方、青と緑は、塩味と関連付けられることが多いです。2014 年に Chemosensory Perception 誌に掲載された研究では、参加者は、赤色または無色の場合よりも青色または緑色の場合の方が、溶液を塩味が強いと評価したことがわかりました。この関連性は、しょっぱい海水の青緑色に由来している可能性があります。
こういった色彩心理学のデータは食品業界のマーケティングで使われています。
たとえば、多くのブランドは、キャンディーやデザートなどの甘い製品には赤やピンクのパッケージを使用し、チップやクラッカーなどの風味のある製品には青や緑を使用するのが一般的です(5)
彩度と明度が風味の強さに影響
色相に加えて、色の彩度と明度も、知覚される風味と味の強さに影響します。彩度の高い色は風味を強める傾向があり、彩度が低い、またはくすんだ色は風味をマイルドに感じさせる場合があります。
2015 年に Journal of Sensory Studies に掲載された研究では、コーヒーは透明または青のマグカップよりも白いマグカップで出された方が風味が強く感じられることが分かりました。濃いコーヒーと白いマグカップの明るさのコントラストにより、コーヒーの味と香りの強さがさらに感じられると考えられます。(5)
まとめ
文化や国などによっても多少異なりますが、色は特定のイメージを連想させ、それが私達の気分や行動にも影響しています!今回ご紹介した研究では、色によって、気分、パフォーマンス、期待する薬の効果や味覚、風味が影響されることが報告されていました。
特に毎日身につける物だったり、大事な時に身につけるものの色は、自分が好きな色だけでなく気分に合わせて選ぶと良いかもしれないですね!
ちなみに、マイハブのメインカラーは緑ですが、緑は安らぎや落ち着きのイメージがあるため選びました!
参考文献
(1)https://www.verywellmind.com/color-psychology-2795824#citation-12
(2)Yang J, Shen X. The application of color psychology in community health environment design. J Environ Public Health. 2022;2022:7259595. doi:10.1155/2022/7259595
(3)Elliot,A.,et al.,Color and psychological functioning:The effect of red on performance attainment,Journal of Experimental Psychology: General, 136(1), 154–168. https://doi.org/10.1037/0096-3445.136.1.154
(4)Rema M, etal, Understanding Color Associations and Their Effects on Expectations of Drugs’ Efficacies, Pharmacy.2022; 10.3390/pharmacy10040082
(5)Oguzhan Uyar,metrobi,How does color affect taste:https://metrobi.com/blog/how-does-color-affect-taste/
(6)Charles Spence,Exp Psychol.2019 Mar 21;66(2):99-111.doi:10.1027/1618-3169/a000439:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7037180/
(7)https://www.webmd.com/mental-health/what-is-color-psychology
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